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Croquet

クロッケー。クローケー。アラン・ケイらが推進する仮想 OS 構築プロジェクト。1970 年代に GUI を備えた今風にいうところの OSSmalltalk としてすでに構築してしまった彼(ら)が「では、当時よりはるかに恵まれたハードウエアやネットワーク環境を使って、今、OS を作るとしたら、どんなものになるのだろうか…」といういたってシンプルな発想と興味に基づき、そのイメージの具現化を Squeak 上で試みているもの。限られた人間にはすでにデモされて話題にはなっていたが、このほど、OOPSLA 2002 に合わせてプリ・プレリリース的なものが公開された。関係者には t-Time、Tea として知られる(クラス名やドキュメント類にその名残を残すが正式な呼称は変更されたらしい)。

http://minnow.cc.gatech.edu/squeak/2901 …… 準公式ページ
croquetour2.mp4 …… 疑似体験用ムービー
Croquet、Slashdot や Slashdot-J で取り上げられる

Uploaded Image: Teapots.jpeg
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その実体は、お馴染みの3Dシューティング/RPGゲーム的 UI のコンピュータ環境における普遍的活用、もしくは、Mac ユーザ的には「ロングアウエイテッドな3D空間メタファの Finder 」(ただし Mac OS X の Finder の出来を見れば分かるように、今の Apple には、それを作る能力も余裕もセンスも、発想すらも…ない(笑))の実現と考えるととっつきやすい。ただ、3D表現をその UI に利用したゲームやソフト(マイナーどころでは URL 管理ツールの Project X や、メジャーなものでは画像ファイル管理ソフトの「みよう絵」など)がそれそれの用途向けの、あるいは Finder がディレクトリやファイルへのアクセスやアプリケーションの起動に特化された単なる“応用ソフト”に過ぎないのに対し、Croquet は、それが提供する3D空間内に配置された窓枠風の“出入り口”を通過することによる「空間の移動」というメタファを通じてコンピュータの提供する機能や、インターネットを介したコミュニケーションコラボレーションのための“場”を直感的に設けたり利用できるようにするためのフレームワークを提供する“基本ソフトウエア”だという点で異なる。

Croquet に関するメモ …… 実際に触れてみて(触れずに書いてたんかいっ!(笑))気付いた点を書き留めました。


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1. 隊長、火星に行きましょう!2. ウインドウをアクティブにしまっす!3. これをクリックですね!4. 開きました! 火星です!
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5. ウインドウに近づきます!6. 火星に到着です!7. 帰還用ウインドウを探します!8. さあ、帰りましょう(笑)

Uploaded Image: croquet09s.jpg
マルチデスクトップは遠隔操作も可能
メニュー表示や morph 選択に注目!


# まあ、こんなふうに紹介したところで「これのどこが新しいの?」と揶揄する声はそこかしこから聞こえてきそうだ。とかく真似されることも柔軟さゆえに“輸入”や“逆輸入”(Smalltalk が発端だがそれに準じて/反発して他所で発展して定着したものをあらためて取り込むというニュアンス)も多い Smalltalk での実装は、2D GUI や、BitBlt、エディタの WYSIWYG UI のように Smalltalk ではじめて/Smalltalk ならでは…との認知度の極端に低いものがあるかと思えば、MorphicSqueak eToys のように別に Smalltalk ではじめて/Smalltalk ならでは…というわけでもないのに過剰に反応されるものがあったり(「Smalltalk を説明するために創られた…」などと書かれたまま放置されてしまうオブジェクト指向もある意味そう)で、話がかみ合わないこともしばしば。こうした状況を鑑みるにつけ、Croquet も、危うい/いずれエッセンスだけ抽出されて陳腐化する“目新しさ”よりむしろ、動的で均質なシステムでこれが実装されていること、それが可能なほど昨今のハードウエアの性能や、インターネットのインフラ整備は充実したのだということを示す試金石としての意義を強調したほうが無難なのかも知れない。ただ、残念ながら、この手の切り口には、ビル・ゲイツ的世界の善意の住人との共有が難しいという決定的な落とし穴がある(笑)。世の多くの人にとっては、目前の GUI が何を使ってどのようにして実装されていようがど〜でもいい話なわけで、その違いからメリット/デメリットが生じ得るなどとは思いつきもしないことなのであるから…。--sumim

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