Swiki は、従来、閲覧のみに限られていた Web ページの内容を、アクセスする誰もが簡単に書き換えることができるサービスを提供するコラボレーションに適したサイト、もしくは、そのシステムの呼び名です。その綴りから容易に想像できるように、Ward Cunningham の Wiki Wiki Web (通称“Wiki”)にインスパイアされた、Georgia Institute of Technology の Collaborative Software Laboratory に所属する Mark Guzdial たちにより、Squeak 上で構築されました(Squeak + Wiki = Swiki)。
Squeak は、専用のデバイス開発を目指すことをやめて、既存のハードウエアや OS 上で動作させる方向への転身を図ることで見事に蘇った“Dynabook OS”とも言うべき存在です。1970 年代、Xerox PARC で Alto を使った“Dynabook”開発プロジェクトを遂行していた研究メンバーが、かつてのリーダーである Alan Kay のもとに再集結。新たに Mark Guzdial などの強力なメンバーも加わり、現在、世界中の大勢のボランティアの助けを得ながらオープンで活発な研究開発が進められている、非常に古く、しかし、ホットで“新しい”コンピュータ環境です。
Swiki 内のページは、通常の Web サイトでするのと同じように閲覧できます。違うのは、それぞれのページを編集するための機能やそれに役立つサービス、および、Swiki 内のページの更新状況を把握したり、キーワードを含むページを素早くリストアップする機能が、Swiki 内のすべてのページに“アイコンボタン”として組み込まれていることです。それぞれのボタンの呼び名とその機能を紹介します。
view: 通常、ページ閲覧の際には、このボタンが選択された状態になっています(この状態ではボタンは機能しません)。続く3つのボタンが提供する機能を有する画面から、元の閲覧用の画面に戻るときにこのボタンを押します。このボタンが選択された状態の画面、つまり、ページ閲覧用の画面では、ページの内容に続いて、Swiki ブック内でそのページを参照しているページの一覧が表示されます。Swiki のことを、ページを綴じた本やノートに例えて“Swiki ブック”と表現することがあります。 | |
edit: ページ内容を編集したいときは、このボタンか、ページの右下にある同じ役割を持つリンクをクリックします。それまで表示されていたページ内容を編集するための“編集用ページ”に移動します。このページには、ページタイトル(Swiki では、URL を使わずに互いに互いのページタイトルで参照し合います)とページ内容を編集するための入力欄がそれぞれ設けられています。書き換えた新しい内容は「この内容で表示する」ボタンを押すことで保存、公開され、他の人も閲覧できるようになります。入力欄での変更内容をキャンセルしたいときは、先の view ボタンで元の画面に戻れます(いったん保存してしまうと元に戻すのに再編集が必要になります)。編集者はページの書き換えを制限して、他の人が編集できないようにすることも可能です。設定したパスワードは忘れないようにしてください。なお、管理者だけは、いつでもこの制限を解除することができます。編集ページの最後の入力欄にメールアドレスを入力しておくと、ページが誰かに書き換えられたときにシステムが知らせてくれます。ページソース(原稿)を編集するとき、ページの体裁を整えるのに役立つ特殊な表記やその用い方について詳しくは下の「編集」のところをご覧ください。 | |
edit (locked): 誰かが書き換えを制限したページでは、edit ボタンはこのようなアイコンになります。この場合、通常どおり編集ページに移動し、そのソースを見たり編集することはできますが、編集結果の保存に際してはパスワードが要求されます。正しいパスワードを入力しない限り、そのページを書き換えて新しい内容で公開することができません。 | |
attach: ページや Swiki ブックには、ファイルをアップロードして添付することができます。このボタンを押すと、ファイルをサーバにアップロードするための画面に切り替わります。ページに添付されたファイルは、そのページのみから、Swiki ブックに添付されたファイルはすべてのページから参照可能です。ページソース中に、*+myUploadedFileName+* といった表記を挿入することで、添付したファイルを参照するリンクをページ内に設けることができます。なお、ファイルへのリンクをページに追加する オプションを選んでおけば、アップロード完了と同時に、当該記述がページソースの最後に自動的に追加されます。添付ファイルが画像の場合(gif、jpg、jpeg、png の拡張子を持つとき)、リンクではなく、その画像自体がページに表示されます。添付ファイルの名称には全角文字は使用できません。半角で、できれば英字に限る(数字や特に記号は用いない)ようにしてください。一度、アップロードしたファイルは、管理者しか消すことができません。作業の際にはサーバを停止しなければならないのでトラブルのないようにお願いします。 | |
history: ページ内容の移り変わりの様子は、誰(ユーザ ID もしくはリモートホスト名)が書き換えたかという情報と共に、逐一保存されています。また、このボタンを押すことで、誰もがそれを閲覧できます(このサイトではユーザ名は一部だけ表示しています)。差分情報(書き換えた場所を削除を取消線で、追加を太字で表示)とソースを閲覧、取得できるので、一見してどこを書き換えたのか分かりにくいページの編集箇所を把握したり、ひどくページ内容を壊してしまったときの復旧作業に用いるとよいでしょう。 | |
top: このボタンを押すと、その Swiki ブックの表紙ページ(最初に作られたページ)に移動します。 | |
changes: このボタンを押すと、Swiki ブック内で最近、書き換えられたページの一覧を見ることができます。通常のサイトの“What's New”的に使うとよいでしょう。 | |
search: このボタンを押すと、検索画面に切り替わります。キーワードやフレーズ( " で括る)を含むページを探してリストアップできます。 | |
help: この画面に戻ってくるときに使います。 | |
TIPS | タイトルは知っているが、URL を覚えていないページに飛ぶ: Swiki ではページの URL に自動的に割り振られる数字を用いているため、これを覚えにくいとして不便に感じる人もいるでしょう。しかしお気に入りのページのタイトルがわかっているなら、特徴的な数文字を数字の代わりに URL 末尾に記載することで直接そのページに飛ぶことができます。たとえば、ある Swiki ブックの URL が http://minnow.cc.gatech.edu/squeak で、飛びたいページのタイトルが Mark Guzdial ならば、アドレスに http://minnow.cc.gatech.edu/squeak/guz などと書くことで本来なら http://minnow.cc.gatech.edu/squeak/7 で表わされるページを、その内容とは関連性のない数字がいくつだったかと悩まされることなく、呼び出すことが可能です。なお、全角文字のページタイトルの場合は、サーバと同じ文字セット(本サイトの場合シフト JIS )を用いているコンピュータシステムからしかこの機能は利用できません。複数の英単語、もしくはスペースを含めたキーワードを使いたいときは、スペースを取り除き、直後のアルファベットを大文字にします(The candy I want for Halloween というタイトルのページに飛びたいなら、iWantCandy などとします)。もちろん、条件に一致する別のページに飛んでしまうこともあり得ますので、あしからず。なお、そのようにして呼び出したページの正しい URL は、ページ表示後あらためて、view ボタンを押せば確認できます。 |
Swiki でのページソースの記述はとてもシンプルです。ただ表示したい文章を、そのまま書いてゆくだけです。さらに、既存のページへのリンクを張りたければ、そのページのタイトルを * で括る。たったそれだけです(例えば、*My Page* と)。これで指定したページのリンクがページに現れます。指定したページタイトルが Swiki ブック内に見つからないと、"新規" というボタンがリンクの代わりに現れます。このボタンをクリックすることで、指定したタイトルの新しいページを作ることができます。
Swiki の基本的な機能を堪能するのには、これだけ知っていれば十分なのですが、以下に示す様々なページ記述ルールを把握しておくと、ページの表現力をアップするのに役立つでしょう。すべてを把握するのは大変なので、徐々に覚えて、ページ記述の際に使ってみるととよいと思います。なお、これらの整形ルールはオリジナル Wiki やその他の Wiki エンジンとかなり趣を異にしますので、他の Wiki ユーザは戸惑われるかも知れません。また、オリジナル Wiki がある意味、HTML への強烈なアンチテーゼを打ち出しているのに対し、Swiki はそのタグの使用を、むしろ推奨する傾向がある点に留意してください。なお、Swiki には WikiName はありません。
^ | テキスト入力領域の位置は変えずに、挿入テキストを入力領域の直後に追加してゆきます。挿入テキストは挿入のタイミングとは逆順にページ中に並ぶことになります。 |
@ | タイムスタンプを追加します。 |
- | ボタンだけを表示して、テキスト入力領域自体はそこには表示しません。ボタンを押すと、別ページに移動しそこにテキスト入力ボックスが用意されます。そのテキスト入力ボックスを使ってテキストを挿入すると、元のページのソースに挿入テキストが追加されるというしくみです。先の ++ もこのオプションと組み合わせれば、有効かもしれません。 |
& | → | & |
< | → | < |
> | → | > |
* | → | ☆ |
@ | → | &at; |
(新しいページへの)リンクを作るページを表示させ、そのページを編集してください。それから本文の中に「*私の新しいページの名前*」のように入力してください。ページを保存すれば、"私の新しいページの名前"の横に、"新規" ボタンが現れます。そのボタンをクリックすれば、新しいページを作ることができます。このように、新しいページを作るだけでなく、誰かがそのページを見つけられるようにリンクも作ることができます。
手っ取り早く言うと答えは「できません」です。ただし、同じ名前のファイルをアップロードすれば、前のファイルとリンクだけは置き換えることができます。もし本当にアップロードしたファイルを削除したいなら、管理者に相談してください。
'Edit Conflict'は、誰かがあなたより先にページを保存したとサーバーが判断したときに発生します。つまり、そのままページの保存を行なってしまうと、その(誰かが保存した)内容を消してしまうかもしれないということです。画面には2つの内容が表示されています。1つはあなたが保存しようとしている内容、もう1つは直前に保存された内容です。そしてこの2つを1つにまとめるよう求められます。実際には、よほどアクティブな書き換えが行なわれているサイトでないかぎり、'Edit Conflict' は滅多に発生しません。でもいくつかのブラウザ(主に MSIE ですが)は、ブラウザの戻るボタンを押す時にキャッシュ関連の問題が発生します。このような場合に 'Edit Conflict' が起こったら、そのまま Save ボタンを押して構いません。問題を避ける一番の方法は、連続して編集する場合に「戻る」ボタンを押さないことです。
ページの全ての履歴は保存されています。壊してしまったページを表示させ、history ボタンをクリックして下さい。その中で問題のない最新のページを見つけてください。壊れてしまったページを別のウィンドウで編集し、そこに問題のないページの内容をコピーして保存してください。
いくつかの問題が考えられます。まず、GIF、JPEG、PNG のいずれかの形式で画像を保存する必要があります。別の形式(BMP や PFD や pict など)は、ほとんどのブラウザで表示できません。それ以外では、画像のファイルが正しい拡張子(.gif, .jpeg, .jpg, .pngのいずれか)になっていなければなりません。さもないと、サーバーはそのファイルが画像であると認識できません。ただし、単にファイル名の拡張子を変えるだけではファイル形式まで変えることはできません。
どんなHTMLでも使うことができます。色を付ける普通のやりかたは、FONTタグを使うことです。例えば、<font color="green">緑色の文字</font>とすることでテキストを緑色にすることができます。
中央揃えにしたい文章を <p align=center> と </p> で囲めば、その文章が中央揃えになります。